【完】俺が消えてしまう前に
「あきはずっとこうえんにいて、いっちゃんのことまってたの」
「・・・俺?」
「あきがびょういんからでて、少したったあとから、いっちゃんはずっとあのこうえんでいっしょに遊んでくれた」
「俺が・・・」
「だいすきないっちゃん。だいすきなままとぱぱ。だけど、あきがしんじゃってからこわれちゃった」
愛希は目を閉じて話している。
俺らはその話に聞き入っていた。
「いっちゃんとぱぱとままけんかばっかり。仲良くしてほしかった。でもいっちゃんおうちでてっちゃった。それから大きなたてものはいって、あきにあやまりながら、おちちゃった」
「・・・落ち、た?」
「うん、いっちゃんおちちゃったの」
「俺、俺がか?」
「じぶんからぴょーんって」
衝撃だった。
今までにない衝撃。
俺は
誰かに殺されたわけでも
病気になったわけでも
事故にあったわけでもなかった。
自分から
自分の命を
捨てていたんだ。