【完】俺が消えてしまう前に
次の日。
七海が俺を部屋の外に追い出し、もう2時間はたった。
「一体いつまで待たせるんだよ」
ぶつぶつ文句を一人で言っていると、
「おまたせ」
七海がそう言って部屋から出てきた。
いつも見ている服とは明らかに違う服。
簡単に言うとお人形みたいだ。
髪型もメイクも全然違う。
「行こ?」
「お、おう」
記憶の中の"彼女"ではなく、
本来の七海として俺は今見れるようになった。
「七海」
「何?」
「可愛いじゃん」
「・・・!」
顔を真っ赤にして
七海は急いで玄関に向かった。