【完】俺が消えてしまう前に
「樹君!こっちこっち!」
「だから、俺の名前も呼ぶなって・・・!」
「えー?いいじゃん!」
今日の七海は本当に何かが抜けている。
・・・どうして分かんないんだよ。
俺はいないんだよ。
お前が変な目で見られるのは俺が嫌なんだ。
「いい加減にしろ七海」
「・・・ごめん」
「大体なお前は・・・」
「私一人で見てくる!そこらへんで待ってて」
七海は俺を置いてその場を去った。
俺の話も聞かずに。
数十分、俺はその場に立ち尽くしていた。
「はぁ」
「いっちゃん!ばぁ!!!!」
「うわっ!?」
「あきだよー!」
「な、なんでここに」
「なっちゃんにきいたから!」
「七海に?」
「私も来たわよ」
「うわっ桃子」
「うわってなんなの?」
「別に・・・ってか学校はどうしたんだよ」
「・・・一応権力くらいもってるわ。それにそれくらいどうでもいい。あと、私はこれだけを伝えにきたの。貴方の言っている"彼女"の事」