【完】俺が消えてしまう前に


「樹君!こっちこっち!」


「だから、俺の名前も呼ぶなって・・・!」


「えー?いいじゃん!」


今日の七海は本当に何かが抜けている。
・・・どうして分かんないんだよ。

俺はいないんだよ。
お前が変な目で見られるのは俺が嫌なんだ。



「いい加減にしろ七海」


「・・・ごめん」


「大体なお前は・・・」


「私一人で見てくる!そこらへんで待ってて」



七海は俺を置いてその場を去った。

俺の話も聞かずに。




数十分、俺はその場に立ち尽くしていた。





「はぁ」


「いっちゃん!ばぁ!!!!」


「うわっ!?」


「あきだよー!」


「な、なんでここに」


「なっちゃんにきいたから!」


「七海に?」


「私も来たわよ」


「うわっ桃子」


「うわってなんなの?」


「別に・・・ってか学校はどうしたんだよ」


「・・・一応権力くらいもってるわ。それにそれくらいどうでもいい。あと、私はこれだけを伝えにきたの。貴方の言っている"彼女"の事」


< 83 / 166 >

この作品をシェア

pagetop