【完】俺が消えてしまう前に

久しぶりだと思える大きな頭痛。

痛みにも慣れた、と言いたいところだけどそれはまだ。



これで最後かもしれないと思うと安心する。

うずくまるほどの痛さだから、もう感じたくもない。



幽霊なのに痛みがあるって
少しだけ生きている頃を思い出す。




「樹君!」


「記憶が戻る合図ね」


「いっちゃん・・・!」




三人の声がだんだんと遠ざかる。


俺は静かに目を閉じた。
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