素直になれなくて
素直になれなくてⅠ
俺は直人。
親がまっすぐな性格になって欲しいって思いつけた名前らしい。
だけど…
実際はまっすぐどころか捻くれた性格だ。
幼馴染の結衣を小さい頃からカエルを結衣の頭の上に乗っけてみたり、セミを持って追いかけ回したりまぁ色々やった。
中学に入り俺はバスケ部に所属し、結衣もバスケ部に所属した。
結衣は色々お節介で練習後によく'結衣特製ドリンク'を持ってきた。
普通のスポドリのはずがやたら酸っぱい時もあれば苦いこともあった。
中1の夏くらいから俺は反抗期に突入した。母さんも結衣もうざかった。
好きだったバスケもあまり練習に出なくなった。
結衣はそれを心配し
「なおとー今日は部活でないの?」
と毎日俺に聞いてきた。
その時は結衣の事がうざくてうざくて仕方がなかった。だから俺は
「うるせぇお前に関係ない」
と、いつも言っていた。
今思い出せばあの時の結衣の顔…悲しそうだった。
あの時あんなこと毎日言わなきゃよかった。
そんな感じで中学を卒業し、俺らは一緒の高校に行った。
結衣は、学校で一番綺麗と言われるくらい美人になった。
俺はそう感じないが、周りの奴らは
「お前よく言うな。ぜってー結衣ちゃんお前のこと思ってるし」
俺は理解ができなかった。
あの結衣が俺のことがす…好き?!
ありえない。
結衣はただの幼馴染だ。
まぁ…そんな感じで意識し始めた俺だった。
そんなある日の出来事だった。
俺は結衣に酷いことを言ってしまった。
「うるせぇお前に関係ないだろ。ブス」
思ってもない言葉が俺の口からバンバン出てきた。
結衣は泣きながらどこかえ走って行った。
そして…
結衣は車にひかれた。
結衣は一命をとりとめたが、意識は戻らない。