てのひらを、ぎゅっと。



まっすぐなこうちゃんだからこそ、見つけ出せた答え。


私はそう思った。


『じゃあさ……』


私とサッカー、どっちが好き?


なんて面倒くさいことを聞く勇気は私にはなくて。


『私のことも、好き………?』


これを言うだけで精一杯だった。


私はどこまでも臆病で。


でもこうちゃんはその分まで、素直な気持ちをまっすぐ私に伝えてくれた。


『もちろん!当たり前。俺は、心優が大好き』


私の頭をそっと撫でてくれる、心地よい温もりの大きな手。


こうちゃんは私を見つめて言った。


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