てのひらを、ぎゅっと。



今にも消えてしまいそうな、でも強く輝いている星をただじっと見つめる。


「こうちゃん、知ってる?」

「何を?」

「一番輝いてる星ってね、自分の大切な人なんだって。命は消えちゃっても、その命は星になって生きてるんだって……」


だからね、こうちゃん。


「私が死んだ後、こうちゃんが何気なく夜空を見上げたときにね」


泣きたい気持ちを胸に押し込んで、大きく息を吸う。


「一番輝いてる星が、私だといいな……」


私の呟いた一言は、夜空へすぅーっと消えていった。


せめてもの私の願い。


わがままだって分かってるけど、でも。


「私は………何年たっても、こうちゃんの大切な人でありたい」




< 214 / 465 >

この作品をシェア

pagetop