てのひらを、ぎゅっと。



PM11時。


私とこうちゃんは、向かい合わせに寝転んでひとつの布団に入っている。


看護師さんが、床にも布団を敷いてくれたけど、


”こうちゃんと一緒に寝たい“


という私の懇願で、一緒に寝られるようにしてもらった。


「ふふっ、なんか不思議」

「なんだよー」


だって、同じ布団の中にこうちゃんがいるんだよ?


夢みたいで、夢じゃなくて。 


なんか……不思議なんだもん。


「ちょっとだけ……恥ずかしいね」

「今さら何言ってんだよ。お前が俺と寝るって言いだしたんだろ?ほら、もうちょっとこっちこいよ」


グッとこうちゃんのほうに腰を抱かれて引き寄せられて、私の心臓がおかしいくらいに暴れ出す。


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