てのひらを、ぎゅっと。
電気も消えて真っ暗な病室の中、窓から入ってくる僅かな月明かりで照らされてるこうちゃんが、あまりにもかっこよすぎて………。
私とこうちゃんはじっと見つめあう。
腰にある手が、ポンポンと一定のリズムで動きだした。
私を安心させるように。
そしてもう片方の手が、私の頬をゆっくりと撫でる。
「………怖いか?」
「………ん」
怖いよ。
何度考えても、やっぱり怖い。
特に夜。
このまま眠ってしまったら、もう二度と目を覚まさないんじゃないか、って。
お父さんやお母さん、梨帆やこうちゃんに会えなくなるんじゃないか、って。