てのひらを、ぎゅっと。
『ねぇ、おかあしゃん?』
『ん?なぁに?』
『きれぇだねぇ。おほししゃま!』
小さい手をかざして、星が輝く夜空を仰ぐ幼い私。
今より少し若々しいお母さんが、私に微笑む。
『キレイだね。だってお星さまは、
“命”なんだよ?』
『“いのち”?』
『そう。“命”。ひとつひとつが、生きてるのよ』
目を細めてお母さんは夜空を見上げる。
『心優も大きくなったら分かるのかな。人の命には限界があってね………』