てのひらを、ぎゅっと。



どれくらい時間がたっただろうか。


いつも以上に時間が長く感じられた。


ようやく目の前の赤いライトがパチッと消える。


その瞬間、どうしようもない恐怖と緊張が私を襲い、思わず鳥肌がたった。


「お父さん………」

「大丈夫だ、絶対」


ゆっくりと頑丈そうな扉が開いていく。


……その時。


───オギャー!オギャー!


「…………っ」


中から聞こえてきたのは………耳を裂くような、元気な赤ちゃんの鳴き声だった。


手術室から出てきたお医者さんは、にっこりとした笑みを浮かべて一言。


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