てのひらを、ぎゅっと。



「おめでとうございます。2680グラムの元気な女の子ですよ。母子ともに、健康です。お母さんも赤ちゃんも、よく頑張りましたよ」


その瞬間、私の胸の奥から何にも言い表せないような感情がこみ上げてくる。


その感情は、涙となって私の頬を伝った。


この日……私は本当の意味で、“命の重さ”
を知った。


たくさんの苦しみの渦の中で、必死にもがいて足掻いて、………頑張って。


お母さんと赤ちゃんと、その家族の頑張りがあって、“命”って誕生するんだね。


私が余命宣告を受けた日から、ちょうど
3ヶ月。


私の命が終わると言われた日に、新しい命が誕生した。




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