てのひらを、ぎゅっと。


次の日。


「お母さん、傷痛くない?」

「そうだぞ、優子。まだ、むやみに動くなよ。傷口が開いたら大変なんだから」


私はお父さんとふたり揃って、お母さんと赤ちゃんのいる病室を訪れていた。


今日も私の体調はバッチリ。


でも、まだ移動は車椅子だけどね。


「………ん……」


赤ちゃんが可愛い声をあげる。


寝てるみたい。

  
親指を口に含み、もごもご動かしながら気持ちよさそうな顔をしてる。


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