てのひらを、ぎゅっと。
お父さんやお母さんはさ、この名前に込められた私の想いを知ったとき、どう思うかな。
私の自己満足って思っちゃうかな。
でもさ、この子には知っててほしいから。
“心優”というお姉ちゃんがいたことを。
「素敵な名前ね………。とってもキレイで可愛らしいわ。ねぇ、パパ」
「あぁ……いい名前だ…」
「…………紫苑ちゃーん、お姉ちゃんがとっても素敵な名前をプレゼントしてくれたわよー」
紫苑はお母さんの声に気づいたのか、目を覚ました。
その小さな小さなつぶらな瞳を一生懸命に動かしている。
「しーおん」
「紫苑ちゃーん」