てのひらを、ぎゅっと。



「………あら。この子も心優と同じで、可愛らしいえくぼがあるのね」


お母さんのこの言葉を聞いた瞬間、私は溢れてくるものを抑えることができなくなった。


ぶわーっと大粒の涙が私の目から大量に零れていく。


「み、心優!?」

「ご、めっ………」


”何でもないよ“


そう伝えたいのに、言葉にならない。


溢れてくる涙が邪魔をして。


< 241 / 465 >

この作品をシェア

pagetop