てのひらを、ぎゅっと。
”紫苑“
私は………あと何回、あなたの名前を呼べますか?
あと何度、あなたに触れられますか?
きっと紫苑が大きくなったとき、私はもう紫苑のそばにはいません。
”妹と一緒に、買い物をする“
”妹と、恋バナをする“
頭に思い描いていたそんな願いも、もう叶うことはありません。
でもね、紫苑?
私は紫苑のお姉ちゃんです。
紫苑は私の妹です。
てのひらの温もり、忘れないよ。
紫苑のこと、忘れないよ。
私の妹になってくれて、ありがとう。
無事に私たち家族のもとへ生まれてきてくれて、本当にありがとう。
私と紫苑が出会えたことも、きっと大きな奇跡なんだよね。