てのひらを、ぎゅっと。
梨帆side
私の親友が亡くなってから、約半年の月日が過ぎた。
今でも目を閉じると、いつだって浮かんでくるのは心優の姿。
私を見つけると、一目散に駆けてきてくれた心優。
まるで花が綻ぶように、にこにこと笑う姿は、私の中で一生消えることはない。
「梨帆ちゃん!」
「あ、咲来!」
よく笑う心優のように、にこにこしたとびきりの笑顔で私に駆け寄ってくるのは、宮内咲来(みやうちさくら)。
咲来には本当に助けられた。