てのひらを、ぎゅっと。
彼女がいたから、今の私はこんなにも笑うことができているのだと思う。
心優のいない世界でも。
「とうとうこの日がきちゃったね………」
寂しそうにポツリと呟く咲来。
「そうだね……。とうとう、だよね……」
私たちは今日、中学校を卒業する。
3年間通い続けた、この中学を。
私はそっと微笑んだ。
「心優………。一緒に卒業しよーね……」
たくさんの太陽の光が降り注ぐ、頭上の青空を見上げて。