てのひらを、ぎゅっと。
「お前、叩くことねーだろ!俺の大事な頭が割れたらどーすんだよ!」
「そんなんで割れるわけないでしょ」
「んなこと、分かんねーだろ!だいたいお前はなぁ…………」
「……はいはい」
一人でグチグチと私の説教を始めた彼の名前は、大野玲央(おおのれお)。
玲央はとにかく……背が小さい。
本当に。
背の順に並ぶと、玲央はいつもクラスで一番目。
私も147センチしかなくて小さいほうだけど、玲央はそんな私よりもさらに小さくて144センチしかないの。
男の子なのにね。
でも、身長なんて関係なくて、玲央はよくモテる。
顔もかっこよくて、性格もいい。
常に明るく笑ってて、いつもにこにこしてる。
そして………幼なじみであり、よくモテる玲央が私は好きだ。