てのひらを、ぎゅっと。
「お母さーん、ただいま!」
「あら、紫苑。おかえりなさい。クラスは何組だったの?」
「A組!また玲央と一緒だよ!」
「ふふっ。玲央くんが一緒ならお母さんも安心だわ」
私は帰ってすぐにお母さんに報告。
お母さんは玲央と私が同じクラスになったのを本当に嬉しく思ってくれているのだろう。
今日の夜ご飯は私の好きなもの作ってくれるんだって!
だから私は、小さい頃からの大好物である甘口のカレーを頼んだ。
それから、奥の部屋へ急いで向かう。
そこには………私と同い年くらいの女の子の写真。
写真は、仏壇の中央にしっかりと飾られている。
「お姉ちゃん、ただいま……」
私はその写真の中の女の子に向かって微笑みかけた。