てのひらを、ぎゅっと。



「ね、おとしゃん」

「なんだ?」


カレーを一生懸命食べていた希心の瞳が
俺をしっかりととらえる。


「おかしゃんのこと、しゅき?」


まだ小さな希心からぶつけられたその直球な質問に、俺はうろたえることなく笑って答えた。


「あぁ、大好きだよ」


嘘なんかじゃない。


俺は、本気で思ってるよ。


俺の奥さんが希衣でよかった、って。


本当に希衣が好きなんだ。


俺は隣にいる希衣に目を向ける。


「希衣………?」


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