てのひらを、ぎゅっと。
俺の愛する人は少し俯いて………とてもキレイな涙を流していた。
「ごめ……っ」
「お母さん?泣いてるの……?どうしたの……?悲しいの……?」
優希が希衣のことを、泣きそうな顔で見つめる。
「違うよ………っ。お母さん……すごく嬉しいの……。お父さんに、好き、って…
言われたことが……」
小刻みに肩を震わせる希衣。
愛しくて愛しくて、小柄で華奢な体を懸命に揺らして涙を流す君が、とても美しくて。
俺は希衣の頭を優しく撫でた。
………たくさん不安にさせたよな。
傷つけたよな、苦しめたよな……。
ごめんな、希衣。
でもこれからは、お前の夫として。
ふたりの父親として、しっかり家族を守ってくから。
ポンポンとあやすように背中を優しく叩くと、希衣は真っ赤な瞳で俺を見つめ、
本当に本当に幸せそうに笑ってくれた。