てのひらを、ぎゅっと。
心優の母さんが家にきた………?
どうしてだ…?
「あのね、昨日心優先輩のお母さんが家を掃除してたんだって。そしたら……リビングの本棚の奥から、このアルバムが出てきたらしいの。あまり本棚は使わないらしいから、今まで気づかなかったみたい」
「ア、ルバム………?」
「うん。光希くんと心優先輩の思い出がたくさん詰まってるんだって。光希くんに渡してやってください、って先輩のお母さんに頼まれたの」
俺は震える手で、希衣から一冊のアルバムを受け取った。
「私は大丈夫だからさ!一人でゆっくり見なよ」
希衣の言葉に、俺はアルバムから顔をあげて希衣を瞳に映す。