てのひらを、ぎゅっと。
今日は土曜日。
学校は休みで、どの部活動もオフ。
教師である俺も、本当は休みの日。
………だけど俺は一人学校へ行き、窓から淡いピンク色の桜を眺めていた。
そして桜を見ると決まって思い出すのは、心優のこと。
俺のカバンの中には15年前、心優の母さんから受け取った手紙と、昨日新たに受け取ったアルバム。
心優と出会ったこの学校で、アルバムを開きたいと思ったから。
俺はゆっくりとした動作でアルバムをカバンから取り出し、1ページ目をめくった。