てのひらを、ぎゅっと。
「私………延命治療は、しません」
そして、一言一言を懸命に絞り出す。
「お母さん、ごめんなさい。でも私……
病院で何も自由にできないまま死んでいくより、大好きな学校へ行って好きなことをしたい。好きな人といたい」
流れる涙を拭わず、てのひらをぎゅっと握り、懸命に伝える。
どうせ無くなってしまう命なら、がむしゃらに這いつくばって生きたい。
ただひたすらに、生きたい。
残りの時間、好きなことを。