てのひらを、ぎゅっと。
私は梨帆と繋いだてのひらを、ぶんぶんと振り回した。
昔はよく、こうして歩いてたよね。
いつからかな?
お互い大人になったつもりで、いつしか手を繋いで歩くことも少なくなった。
梨帆、覚えてて?
お互いにね、てのひらをぎゅってすると、何か伝わるものがあるの。
それはね、絆。
梨帆と私の絆だよ。
「梨帆、”友情“っていいね!」
「………そーだね。仲良しだもんねー!」
「ねー」
私と梨帆の絆の名は、”友情“。
これからもずっと、覚えてて。
私と過ごした時間が確かにあったことを。
私がここに、いたことを。