てのひらを、ぎゅっと。
こんな気持ちになるの、こうちゃんにだけだもん。
他の男の子と話してても、こうちゃんといる時みたいにドキドキしないもん。
でも、もう一緒にはいられない。
ありがとう、こうちゃん。
人を愛する嬉しさや人に愛される喜びを、教えてくれてありがとう。
「こうちゃん、さよなら…………」
キレイな涙をまた一粒流したこうちゃんを背に、私も堪えていた涙を流した。
本当に本当に苦しくて、切なくて。
約束、守れなくてごめんなさい。