てのひらを、ぎゅっと。


『ぷっ………あっ……あははっ……っ。やべっ。相川、ちょーおもろいんだけど』


きっと私の顔はりんごみたいに真っ赤だったと思う。


それはもちろん恥ずかしさもあるけど、
一番の理由はこうちゃん。


こうちゃんが私の目の前で、笑顔を見せてくれたから。


ずっとずっとかげでこっそりと見ていたこうちゃんの笑顔が、今、私だけに向けられていて。


その事実に、私の心臓は今までにないくらいドキドキと高鳴っていた。


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