俺の素顔、知りたい?



ほてった顔を隠すように、また押し入れを探り始める。


………あった!



「“初心者でも分かる!お弁当のレシピ本”発見!」

「ふーん……初心者ねぇ…」


隣に現れて、本を覗き込む先輩。



「私、普段は料理しないんです。だから……ムリに私のお弁当を持って行かなくてもいいですよ?」


先輩の口に合わないかもしれないし、ついでに自分の口にも合わない恐れもあるし。



「そういう意味じゃねーよ。弁当楽しみにしてるからな」


私の頭をポンポンと数回叩いた後立ち上がった先輩。



< 128 / 452 >

この作品をシェア

pagetop