俺の素顔、知りたい?
………なーんて、桃琴とふたりでにこにこと笑い合っていたら。
「───……胡桃!」
あの、低くて、どこか甘い声が…耳に入ってきた。
こ、この声は……!
「佐倉先輩じゃない♪」
「あはは……そうだね」
私が言葉を発するより先に、桃琴が耳打ちしてきた。
そんな楽しげに言うもんじゃないですよ。
………佐倉先輩の顔、ものすごく怖いんですもん!!
すると、佐倉先輩は痺れを切らしたように教室へ入ってきた。