俺の素顔、知りたい?



途端に歓声で沸く教室内。

女の子達が色めき立つ。


そんなのお構い無しに佐倉先輩は私の目の前までやってきた。



「お前……また先に行ったな」

「え?いやぁ何のことでしょう」

「とぼけるんじゃねぇよ」

「すいませんごめんなさい」


あっさり白旗を上げた私。


そんな私の隣では、驚いたように目を丸くしている桃琴。



「え……?佐倉先輩?」

「桃琴ちゃん、悪いんだけど……コイツ借りてもいい?」


桃琴にあの王子様スマイルを見せる佐倉先輩。



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