俺の素顔、知りたい?
「ん、じゃあ帰りながら話そ」
私もそれに頷いて教室から出る。
廊下は静まってるけど、音楽室の方からは吹奏楽部の演奏が聞こえてくる。
「4人でもいいけど、その代わり1つ条件がある」
先輩がそんなことを言ったのは、校門を出てから。
何で校舎内で言葉を発さなかったのかは不明だ。
「条件ってなんですか?」
私が出来ることなのかな……
一抹の不安が生まれる。
「2つのうち、胡桃が好きな方を選んで」
先輩はそう言って、道端にも関わらず足を止めた。