俺の素顔、知りたい?
……え、佐倉先輩と上手くいった?
桃琴の言葉を心の中で復唱するとしだいに顔が熱くなってきた。
「な、何で知ってるの!?」
たぶん赤いであろう顔を隠すように自分の机へ向かう。
「だって告白大会の後、佐倉先輩が胡桃のこと追っかけてたし♪」
後ろをついてくる桃琴が楽しげな口調でそう言った。
私が席に座ると、桃琴はまだ来ていない武智の席に座った。
鞄で口元を隠すようにして、目をキョロキョロと泳がす。
「す、鋭いんだね桃琴……」