俺の素顔、知りたい?
第6章「イジワルな素顔」
甘いカレ、とろけます
「───なあ、聞いてんの?」
私達以外に誰もいない、放課後の図書室。
誰もいないせいで先輩のその声がやけに響いた気がする。
「……な、何をですか?」
私は握りっぱなしだったシャーペンを机の上に置いて先輩を見た。
───文化祭が終わって半月。
もう11月に入って、だんだんと秋が終わっていく季節。
私と恭汰先輩は、勉強をするために図書室へ来ていた。
「胡桃、最近ボーっとしてること多くねぇか?」