俺の素顔、知りたい?
「俺だけ見てろ。他の男なんか、見んなよ」
私の耳元で囁いた後、唇に触れるだけのキスをした。
「な、な、な……っ」
ここ学校なのに!
図書室なのに!!
そんな言葉は全て喉の奥に引っ込んで出てこない。
……でも、嬉しい。
優しいキスは嬉しくてもっとしてほしいって思ってしまう。
「……胡桃だけはやらねぇから」
恥ずかしくも幸せに浸っていた私は、先輩が低い声でそうつぶやいたのに気付かなかった。