俺の素顔、知りたい?



「涼介にも手を出すなんて最低!あたしの方が涼介を好きなんだから!」


……ひどい言われよう。


これは私も言い返さないと気が済まない……!



「胡桃を最低なんて言うな。お前に胡桃の何が分かるんだよ」


私が口を開く寸前、背筋も凍るほどの低い声が教室に響いた。


隣を盗み見れば、見たことがないくらい怖い顔した武智がいた。


そんな武智に一瞬怯んだ女の子。

でもすぐに口を開いた。



「……っ!涼介は何も分かってないよ!あたしがどれだけ」

「行くぞ」


ふいに腕を引かれてグラッと倒れるように足が進んだ。



< 331 / 452 >

この作品をシェア

pagetop