俺の素顔、知りたい?
女の子にそう言った後「ちょっと行ってくるね」と桃琴に声をかけ廊下へ出た。
「胡桃!」
「うわぁダメですよ先輩!」
廊下へ出た途端、恭汰先輩が私を抱き締めようとしたから慌てて止めた。
ただでさえ注目浴びてるのに!
女の子達は遠巻きに先輩を見ていて、私にはにらんでくる。
……器用な子達だな!
そう思うことで、その鋭い視線を我慢した。
「……で、どうしましたか?」
ちょっと拗ねた様子の先輩にそう尋ねる。
「抱き締めていいなら教える」