俺の素顔、知りたい?
そうお礼を言うと、私の背に合わせるようにかがんだ武智。
「遅くなって悪かった」
武智はそう言って切なそうに顔を歪めた。
武智は悪くないのに。
私のせいでこんな顔させてるの?
~♪、~♪
すると、突然この場に似合わない軽快なメロディーが流れた。
「あ、私だ……」
鞄からケータイを取り出し、画面を見ると新着メール1件の文字。
……そのメールは恭汰先輩で。
内容を見た途端、身体の力が一気に抜けた。