俺の素顔、知りたい?
妖艶な笑みをたたえる先輩。
やってほしくない、わけないけど……って私のアホ!!
「はっ、話の続きをお願いします!」
結局、先輩の方が余裕があって、照れるのはいつも私。
もう冬だというのに熱い頬を冷ますように、手でパタパタと扇ぐ。
そんな私にふ、と笑みをこぼして先輩は椅子から立ち上がった。
「胡桃とあいつがキスしてるかと思って……頭が真っ白になった」
窓際に立った先輩が「カッコ悪いよな」とつぶやく。
先輩の背中をポーっと見つめていたら、私は無意識のうちに立ち上がっていた。