俺の素顔、知りたい?
───約4分後。
「胡桃こそ歌上手いな」
無事、歌い上げた私に先輩はそう言ってくれたけど。
「も、もう耐えられません!」
私は一言そう言った後、勢いよく立ち上がった。
ガンッとテーブルに足をぶつけたけど気にしない。
……やっぱり痛い。
「……なにが?」
立ち上がった私を上目遣いで見つめてくる先輩。
よくケータイ小説やマンガなんかでは女の子の上目遣いが可愛い、ってあるけど。
……先輩の上目遣いこそヤバい。
睫毛だって長くて、きめ細かな肌は羨ましいくらい綺麗だ。