俺の素顔、知りたい?
妖艶な笑みを浮かべて私に近付いてくる先輩。
そんな先輩から離れようとした瞬間、ソファーで手が滑って。
「きゃっ……!」
いくらソファーの上とはいえ、頭を打ったら痛いかも……!
痛みを覚悟して目をギュッと強く瞑った。
───そんな痛みがくることなんてなく。
先輩の手が私の後頭部に回って、優しく抱きすくめられていた。
「……ドジ」
私の頭のすぐ横に先輩の頭があって、心臓が止まるかと思った。
ち、近い……!