俺の素顔、知りたい?
「ありがとうございます……っ」
なんとかお礼だけ言った後、ふいに先輩が身体を起こした。
私も起き上がろうとしたら、先輩が近付いてきて……それは阻止されてしまった。
「せ、んぱ……っ」
降ってきたのは一瞬だけ触れるようなキスで。
ほんとに、一瞬だった。
「これだけに、しとく……」
そうつぶやいて、少し顔を赤らめた先輩。
どうしたんだろう……?
もっとキスしてほしいって、思ってしまうよ……
「ほら、時間あるから歌うぞ」
ポーっとしていたらいきなり目の前に現れたマイク。