俺の素顔、知りたい?
赤くなった顔をお母さんから隠すようにそっぽを向くと、先輩と目が合った。
───すると。
「……っ!」
柔らかな優しい笑みを浮かべられて。
それはもう、とびきり甘くてドキドキが最高潮に達した気がした。
「なに固まってんの。菜々子さん行っちゃったけど」
私の頭を軽く小突いた先輩。
それから何事もなかったかのようにリビングへ歩いていった。
せ、先輩のバカ~~~!!
嬉しいやら恥ずかしいやらで、ごちゃごちゃになった頭で悪態をつきながら先輩の後を追った。