俺の素顔、知りたい?
暗い気持ちでオムライスを食べていると、目の前でカツ丼を食べている先輩が立ち上がった。
「……?」
しん、と静まり返る学食に椅子を引くギギッという音が響いた。
先輩はその場に立ったままおもむろに口を開いた。
「……この際だからはっきり言うけど」
先輩の低い声はやけに響く。
私はドキドキとうるさい心臓を静めるように胸をそっと押さえた。
「胡桃は俺の彼女だから。手ぇ出したやつ、女でも許さねぇよ」