俺の素顔、知りたい?



でも、無理やり……なんてことはしたくねぇ。


だから、こうやって抱き締めることだけは欠かせねぇんだよな。



「そ、そろそろ苦しい……です」


そんな胡桃の声にハッと我に返った俺は、そっと胡桃を離した。


すると、ふわりと柔らかな笑みを浮かべて俺を見上げた胡桃。



「朝から恭汰に抱き締めてもらえるなんて、私は世界一の幸せ者かもしれません」


へへ、と恥ずかしそうに笑いながら言った胡桃。


……俺と同じこと。


胡桃も思ってくれたのか……?



「……俺も、思ってた」



< 449 / 452 >

この作品をシェア

pagetop