Destin.....
出会い.....

prologue....


ー風が、吹いていた。

緩やかに。


どこまでも緩やかに。


その風の中、俺は空を見上げながら、俺の記憶に話しかける。

「....なぁ、愛菜好きだよ。」

覚えてる?

俺、ここで愛菜と出会った大切な場所。


あの頃、俺たちは共に笑い、共に泣きました。


愛菜、お前のこと、ずっと好きだった。


「...愛菜は今日、誰と出会い誰と話したんだ。」


話しかけても.....俺の隣にはお前はいない。



やっと思いだした記憶も言うことは果たされなくて.....


「...なぁ。最後に俺のことを想ったとこはいつだ?」




でもどれだけ長い時が流れても。



例え愛菜が俺のことを忘れても。


やっと、思い出した記憶....無駄にしてもいいから。


お前の幸せを祈らせてください。





胸に抱き続けるこの気持ちは、消えうせるどころか、ますます鮮明になるばかりで。


「なあ、愛菜。お前は今、誰かと一緒にいて幸せか?」


だから....お願い。


もし、愛菜が俺以外の人を好きになったとしても。


どうか、愛菜の幸せを祈らせてください。












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