Destin.....
「なあ、君って呼ぶのもなんだから柴崎さんにするわ。
あのよ、苦手なものとかってあるか?」
と、聞いてみた。
「あーね。男の子が煩いこととか、かな。」
「あのよー」
「それとね、嫌いなものは.......」
「気の強い男の子かな。」
「え?」
柴崎さんの意外な答えに、恋の表情は固まった。
「それさ、柴崎さんもじゃねえ?」
「こうみえても、私は一途」
「いやいや。ならさ、もし・・・もしだ。付き合った男性が気の多い男だったらどおすんだ?」
なんとなく軽い気持ちで訪ねた恋だったが、
その質問を耳にした途端、
柴崎さんの顔つきが険しいものに変わる。
恋の喉元に両手を添えたかと思うと、
そのまま、首を持ち上げようとした。
「-殺しちゃうかもな。」
「私、殺しちゃうよ?」
「・・・」
その先程より全然低くなった声とともに、恋は一瞬驚きを見せた。