最期の言葉
 あの瞬間が来る直前、深く息を吸い込んで、彼女の中に飛び込んだ。久しぶりの感覚がする。成功したようだ。
  
 繋がる。「彼女」と「私」の感覚、記憶、感情、それらの全てが、もう一度繋がる。

 ごめんね。あなたが一番聞きたがってる言葉、聞かせてあげられない。だってそれを言ったら、あなたはきっと私の後を追ってくる。そんなの、嫌だから。

 だから…
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