最期の言葉
 「しゅう君……大…嫌い…」

 頬を涙が伝う。嘘だよ。大好きだよ。死にたくないよ。怖いよ。一人になりたくないよ。素直じゃなくてごめんね。でも、こう言えば、あなたは明日も生きてくれるよね。私があなたを嫌いでも、あなたは私を好きだから、
「同じ世界にいたくないんだよね」
って、私が死ぬことを、受け入れてくれるよね。でも、こんな思い伝わらないよね。 
 
 彼が「今日」を越えるために。でも、辛い。

 それなのに、私はまた、「彼女」から離れ始める。そして…消え始める。
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