君がいた夜
第一章

夜空の月

 満月の夜。
 

 あたし、伊藤未来〈いとうみく〉は近所
の【popo】という居酒屋にいた。

 
 残業帰り、いつものように会社の同僚と飲みに来た。

 
 この店は壁や、椅子、テーブル、どこを見渡してもまだ新しい。

 


 建てられてから一年しか経っていないんだから当たり前かぁ…。


 
 そう思いながらウーロン茶を飲む。


 私はまだ19歳だからビールが飲めない。


 だけど、一人のときはたまに飲んだりする。


 疲れたときだけだけど。


 
 飲まないでやっていけるほど社会は甘くない…と私は思う。

 
 他の人はどう思ってるか分からないけど、とすでに顔が真っ赤な同僚たちを見やる。


 私以外はみんなお酒が堂々と飲める年。

 
 いいなあ…


 まじめな同僚たちは私がお酒を飲むことに大反対。


 はぁ、つまんないの…というか、あなたたちは私の親ですか!?


 そう思うけど、口に出しては言わない。



 ため息をつきながら、また店の中を見る。

 
 【popo】が出来た年と同じ年に私は会社に入社した。
 


 
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